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第541話

Author: 宮サトリ
「おじさん、どうしてここにいるの?」

飛行機で出会って以来、久しぶりの再会にひなのは驚きを隠せなかった。

彼女の甘ったるい声を聞いて、瑛介は自然と微笑んだ。

この子は、普段からかなり甘やかされて育っているのだろう。

それに、よく甘えたり、おねだりしたりするタイプだ。

ライブ配信で見ていた時と、全く同じだな。

「ちょっと学校を見学しに来たんだ。まさか君たちに会うとは思わなかったな」

瑛介の視線が陽平へと移った。

彼は妹とは違い、まったく警戒を解いていなかった。

瑛介が膝をついて話しやすい体勢になっても、彼はすぐに妹の手を握り、明らかに抵抗の姿勢を見せた。

しかし、瑛介は怒るどころか、むしろ好感を抱いた。

「えっ?カッコいいおじさんにも赤ちゃんがいるの?」

ひなのは好奇心旺盛な性格らしく、次々と質問を投げかけた。

瑛介は少し考え、眉を上げた。

どう答えるべきかは分からないままだった。

しばらく沈黙した後、瑛介は警戒している陽平を見つめながら言った。

「カッコいいおじさんじゃなくて、僕は「寂しい夜」という名前のおじさんなんだ」

「......寂しい夜さん!?」

「えっ!?あの寂しい夜さん!?」

二人の小さな顔が、驚きに染まった。

まさか、ライブ配信でいつも投げ銭してくれる「寂しい夜」が、目の前にあるこの人か!?

瑛介は微笑しながら問いかけた。

「そう見えないか?」

二人はしばらく黙ったまま見つめた。

「まだ信じられない?」

瑛介はスマホを取り出し、アカウント画面を開いた。

そして、彼らの目の前に差し出した。

ひなのはすぐに小さな顔をぐいっと近づけた。

画面を確認した瞬間

「本当だ!」

「寂しい夜さん!」

彼女は歓声を上げ、そのまま瑛介に飛びついた。

「寂しい夜さん!」

瑛介は片腕で軽く彼女を抱き寄せた。

その瞬間、陽平はまだ距離を取って、ふと目を上げた。

瑛介は陽平を誘った。

「こっちに見に来ないのか?」

陽平はじっと彼を見返した。

そして数秒後、ようやくゆっくりと歩み寄った。

瑛介は彼にスマホを渡した。

「確認してみるか?そうじゃないと、僕が悪い人かもしれないって、ずっと疑い続けることになるぞ」

その言葉に、陽平の耳がほんのり赤くなった。

しかし、何も言わずにスマホを受け取った。

最初
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